バフ研磨でステンレスの鏡面磨きはできるの?失敗しないバフ研磨の注意点を解説
金属と聞くとピカピカな光沢を想像する方が多いのではないでしょうか?
よく素材本来の輝きが~と表現されるこの光沢、実は金属が本来持つ素材の美しさではないのです!
実は、この輝きの多くは<バフ研磨>によって付与された性質に過ぎません。
それでは、なぜ<バフ研磨>をしてまでこのようにピカピカな鏡面に仕上げるのでしょうか。
あまり知られていませんが、<バフ研磨>はたくさんのメリットを持った優秀な仕上げ方法なのです。
今回はそんなメリットいっぱいの<バフ研磨>について詳しく学んでいきたいと思います。
目次
1. バフ研磨ってどんな作業?バフ研磨で鏡面磨きができるって本当なの?
2. バフ研磨のバフの素材は何種類?鏡面仕上げに最適な使い分けとは?
3. バフ研磨のメリット・デメリット、鏡面仕上げにする必要ってあるの?
4. バフ研磨で鏡面磨きはできるの?失敗しないバフ研磨の注意点4つ
5. バフ研磨の鏡面仕上げをマスターしてものづくりに高品質と効率的な磨きを
1. バフ研磨ってどんな作業?バフ研磨で鏡面磨きができるって本当なの?
バフ研磨はずばり、バフを使った研磨を指します。それでは、バフとは一体何なのでしょうか?
バフとは、研磨の際に使用するウールやスポンジなどの柔らかい素材でできた円盤工具の1つです。
バフ研磨では、そのバフに研磨剤やワックスを付けて高速回転させることで対象物を磨きます。
研磨と聞くと砥石のように硬いものを想像してしまいますが、バフ研磨では通常の研磨材と異なり、
柔らかい素材のウールやスポンジを使って優しく磨き上げるため、傷をつけずに鏡面まで仕上げることが可能です。
バフ研磨には、対象物のバリや汚れを落とすだけでなく、表面の凹凸を均し、鏡面に近づける効果があります。
さらに、バフの素材や研磨剤の種類を変えれば、仕上がりを自在にコントロールすることも可能なのです。
2. バフ研磨のバフの素材は何種類?鏡面仕上げに最適な使い分けとは?
バフ研磨の種類は、バフの素材と研磨剤の組み合わせで決まります。
目的の仕上がりに合ったバフや研磨剤を選択することが重要です。
バフ研磨の流れは、通常の研磨と同様で、粗目から細目に徐々に番手を上げていくことで鏡面仕上げを目指します。
<代表的なバフの素材>
・布バフ
綿や不織布などの柔らかい素材でできており、安定した研磨性が得られるため粗研磨から仕上げ研磨まで幅広く用いることができる。
・ウールバフ
布バフに比べ密度が均一で、傷をつけにくく、ムラになりにくいのが最大の特徴。コンパウンドとともに、仕上げ研磨に用いられる。
・麻バフ
主に粗研磨に使用されるバフ。鉄や非金属の粗研磨、メッキ前の中研磨に最適。
・スポンジバフ
柔らかい素材を活かして仕上げ研磨やワックス塗布で活躍。自動車やバイクの塗装面の仕上げ工程で用いられることが多い。
3. バフ研磨のメリット・デメリット、鏡面仕上げにする必要ってあるの?
私たちの身の回りの工業製品の多くにバフ研磨が採用されている理由は一体なぜなのでしょうか?
実は、バフ研磨には多くのメリットがあります。
<メリット>
・バリ、傷及び汚れの除去が可能
表面の傷や汚れだけでなく、機械加工よるバリ等の加工痕の除去が可能。
・平滑(機能)性向上
バフ研磨により、表面の凹凸を均すことで平滑性を上げ、摩擦を軽減することが可能。
抵抗が減ると、機械であれば効率的な稼働が実現できる。メッキ加工の前処理とする場合もある。
・光沢向上
表面を鏡面仕上げにすることで、乱反射を押さえることが可能。
・素材を問わず加工が可能
ステンレス、アルミ、チタンをはじめとする金属全般に加工可能。
金属だけでなく、ガラスやプラスチック(アクリル、ABS樹脂)にも加工することができる。
・効率的な加工を実現
バフ研磨は機械でバフを回転させるため、従来の手作業による研磨と異なり、少ない工数で研磨が可能。
<デメリット>
・熟練した技術が必要
バフ研磨では、押し当て具合や力加減で大きく仕上がりが変わってしまう。
均一な粗さが求められる場合は、熟練した作業担当者が必要。
4. バフ研磨で鏡面磨きはできるの?失敗しないバフ研磨の注意点4つ
バフ研磨の際には、押さえておきたい4つのポイントがあります。
・焦らず徐々に研磨剤の粒度を上げながら研磨する
研磨では、傷を消しているように感じますが、不規則な深い傷をより均一で微細なものに置き換えていると考える方が正確です。
そのため、下地の状態に合わない研磨材を使用しても綺麗な鏡面に仕上がりません。
下地状態に合った粒度の選択が重要です。
・研磨カスや飛散した研磨剤をこまめに取り除く
研磨カスや飛散した研磨剤を残したまま作業をすると、仕上がりにムラが生じます。バフ研磨の際は、こまめに研磨カスを除去しながら作業を進めましょう。
・バフは常に動かして研磨する
高速回転しているバフは常に研磨し続けます。1カ所を磨き続けてしまうと、他の部分と差が生まれ、均一な仕上がりになりません。
研磨時は一定速度で動かし続けるようにしましょう。
・使用後はバフを綺麗にする
使用後のバフには研磨カスや研磨剤が付着しています。放置すると、次回使用する際の傷に繋がってしまうので、
使用後のケアを怠らないように気を付けましょう。
5. バフ研磨の鏡面仕上げをマスターしてものづくりに
今回の記事では、バフ研磨について詳しくご紹介しました。
表面加工の中でも最も一般的な手法の1つであるバフ研磨による鏡面仕上げは、製品の見た目の美しさを引き立てるだけでなく、機能性を向上させる有用な加工法なのです。
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